湿原を一周する遊歩道(踊り場湿原一周コース)

踊り場湿原 周遊歩道

池のくるみ

踊り場湿原には、1周約30〜40分程度の遊歩道が整備されています。草原・湿原・池・川・丘と、短距離コースながら変化に富み、季節ごとに違った顔を見せてくれます。
地図下側の丘から湿原を眺めると、丘陵部には乾燥を好む植物が、中央付近には湿気を好む植物と、植生の違いを観察する事ができます。
 中央部のあしくらの池には谷地坊主(やちぼうず)が浮かび、また多くの蛙が生息しており、その鳴き声は静かな湿原にしてうるさいくらい。また、昆虫や蛙を狙う様々な鳥を見る事が出来ます。霧ヶ峰高原ではここでしか見る事の出来ないエゾナミキソウも咲いています。
「池のくるみ」は、この「あしくらの池」を「くるむ」ところからついた名前です。

池のくるみ全景(ロベンドヒュッテホールからの景色)

池のくるみ全景
夕食・朝食前にいかがでしょうか。体を動かした後は、お食事・お酒が一層美味しくなりますよ!

踊り場湿原 周遊歩道の歩き方

ロベンドヒュッテから道路へ出て左へ。湿原を回り込みように歩いていくと、左手のロープ沿いに入る道があります。ここからコースのスタートです。まずは丘の頂上まで一気に登ります。雨の後は滑りやすいのでご注意を。登り切ると、右手に車山・蓼科山、左手に中央アルプス、眼下に湿原を一望できます。ここから先は下り基調なのでご安心を。
左手に湿原の景色を楽しみながら、足下の根っこにもご注意を。道はゆるゆると下り、少し急な斜面を経て小川を越えます。春先や雨の後は、湿原を満たした水がここから流れ出ています。川沿いの湿った場所には野バラが見られますが、橋は滑りやすいので足下にもご注意を。かつてはサンショウウオや、少し下流にはイワナも生息していましたが、気候や植林の影響で渇水期が生じ今では見られません。

川から一段上がると風景が一変。湿原と別れ、針葉樹と熊笹の道となります。左手に沿うように窪地が見えますが、これは昔の遊歩道跡です。やがて2つ目の橋が現れます。湿原に流れ込む唯一の川ですが、枯れている事も多くなってしまいました。車山の麓から、イモリ沢を経て湿原に水を供給しています。先程の川と異なり、雨の後は水量があるのでご注意下さい。

橋を渡ればコースの半分以上を歩いた事になります。この辺りはススキを初め植物の元気が良く、歩道を整備してもすぐ草に覆われてしまいます。しかし、踏み跡がしっかりしていますので、しばし草に触れながら進みます。横の景色が見えなければ上を!霧がなければ頭上を飛ぶグライダーを見る事が出来ます。霧ヶ峰高原 強清水(グライダー発祥の地)から飛び立ち、上空を何度か旋回して着陸します。風切り音が聞こえたら右手上空をご覧下さい。
やがて草木の隙間から左手に見えるのはアシクラの池です。雨量によってサイズが大きく変わる伸縮自在な池。耳を澄ませて、カモやカエル声を楽しんで下さい。池には近寄れません。

道の周囲が開けてくると、前方にロベンドヒュッテ他の建物が見えます。あと少し!右手の斜面にはレンゲツツジが多く、6月が見頃です。道の周りにはたくさんの植物が見られます。長く伸びているのはウドです。正にウドの大木。ホーホケキョは、誰でも知っているウグイス。ケーンケーンと表現されるキジ。夕方には、警戒心の強いキツネや鹿の姿も見られます。建物が大きく見えてくると、ゴールの駐車場です。道路へ出て左へ進むとロベンドヒュッテへ戻ります。道の向こう側に公衆トイレがありますが、渡る際は車にご注意下さい。