霧ヶ峰高原

霧ヶ峰高原 霧ヶ峰高原

諏訪市の北東に位置する高原。標高1,500〜1,900m。

霧ヶ峰高原のなだらかな斜面には、広大な草原が広がっています。気候は内陸性、南または南西の風による上昇気流で、霧が多発します。霧の発生は年間298日にも上り、ここから霧ヶ峰の名が付いたと言われます。

霧が峰の火山活動は八ヶ岳と同時期(80〜100万年前)と考えられており、その活動は和田峠、鷲ヶ峰、霧ヶ峰高原の順に活動し車山で終わっています。溶岩によるなだらかな地形が形成された後、御嶽山の火山灰が積もり草原が生まれました。
ビーナスラインの中心地、穏やかな起伏がどこまでも続く霧ケ峯高原は、日本では珍しいアスピーデ型火山の産物です。104科882種という湿原植物、高山植物が見られます。黒曜石や矢尻も高原一帯で採取されています。霧が峰三大湿原(八島ヶ原湿原・踊場湿原・車山湿原)は国宝的価値が認められ、昭和14年に国の特別天然記念物に指定されました。森林限界以下にも草原が見られる理由として、古くから家畜の餌とするための採草が行われていた事が挙げられます。
しかし、昭和30年頃にはこれらの活動が無くなり放置され、一部にはカラマツ等の植林が進められ森林化されつつあります。また、ビーナスラインの開通による観光客数の増大で帰化植物の侵入が続き、本来の植生を大きく変えようとしています。
2002年2月からは同道路が無料化され、より一層懸念されてます。

霧の発生について

霧が峰高原(標高1700m)には年間を通して諏訪湖(標高700m)から暖かな南風が吹き上げてきます。同時に多量の水蒸気も一気に運び上げます。しかし、100m上昇する毎に気温は0.6度低下していく為、諏訪湖よりも1000m高地にある霧が峰では、湖上と比べて6度気温が低くなっています。この為水蒸気は急激に冷却され、凝結し、霧が発生するのです。霧は空中に浮遊する、目に見えないような小さな水滴が光を散乱・吸収して視界を妨げる状態です。気象学上「霧の定義」は水平視程1km未満、つまりそれ以上遠くの物が見分けられなくなる状態を指し、「靄(もや)」は水平視程1km以上の状態を指します。また、水平視程200m未満の霧を濃霧といい、霧が地面を離れると、霧から「層雲」となります。霧の種類は気団霧(移流型・放射型)・前線霧・海霧・海陸風霧・季節霧・蒸気霧・滑昇霧・逆転霧・温暖前線霧・寒冷前線霧・混合型など様々なものが有ります。

霧ヶ峰高原 夏の平均気温

6月 7月 8月 9月
13度 17度 18度 14度
霧ヶ峰高原 霧ヶ峰高原